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Carry me back to old Virginny

  • 2007/11/20(火) 00:35:38

同志社大学に詩碑を見に行ってから、尹東柱関係の本を読み直しています。
伊吹郷氏の『尹東柱全詩集 風と空と星と詩』(1984影書房)には、後半に尹東柱をよく知る人々が彼への思いを綴った文章がいくつか載っています。

virginny_1.jpg

その中で、満州北間道時代から家族ぐるみで付き合いのあった張徳順(チャン・ドクスン)氏の「人間 尹東柱」を印象深く読みました。

東柱はいつも詩と生活の一致した境地に生きた。内柔外剛ということばがあるが、東柱は外美内美の人である。その詩が美しいように彼の人間も美しく、その容貌が端正にして優美なように彼の心もこのうえなく美しい。私はいつだったか東柱追憶の記に、ギリシャの大理石彫刻を思いうかべるほどすらりとした美男子だと書いたことがある。幼い私の目に映った東柱は、美男子そのもので、心やさしい“姉”のようだった。

****************

東柱はこのように祖国への想いを胸に抱いて育ち、生き、そして死んだ。彼が一番好きだった歌は「ふるさとへわれを帰せ…」(『Carry me back to old Virginny』)だった。退屈なとき、ひとり下宿の縁側に坐ってこの歌をうたった。また遠い空を見つめながら好きな口笛でこの調べを吹いたりもした。もうひとつの故郷へ帰せと哀しくうたった詩人東柱は、たしかにその願いどおり早々にそこにいってしまったのである。
(『尹東柱全詩集 風と空と星と詩』所収「人間 尹東柱」張徳順より)


virginny_3.jpg

Carry Me Back to Old Virginny

Carry me back to old Virginny.
There's where the cotton and the corn and tatoes grow.
There's where the birds warble sweet in the spring-time.
There's where this old darkey's heart am long'd to go.
There's where I labored so hard for old Massa,
Day after day in the field of yellow corn

No place on earth do I love more sincerely
Than old Virginny, the place where I was born

Old Virginny, the place where I was born

***************

ふるさとへわれを帰せ
五穀百花 いまを盛りと咲き
ひばり たかく舞い さえずるところ
この地こそわれらがふるさと
日々に汗し
黄金なる実りをとりいれる
幼き日 たわむれ親しみしわがふるさと
汝にまさるところこの世になし


(訳詞は『尹東柱全詩集 風と空と星と詩』201ページによる)

日本では「懐かしのヴァージニア」として知られている「Carry Me Back to Old Virginny」のメロディは、私も大好きです。尹東柱は英文科の学生ですから、英語で歌っていたのでしょうか。
1995年3月11日にNHKスペシャルで放送された『空と風と星と詩~尹東柱・日本統治下の青春と死~』では、無名の俳優さんが、尹東柱に扮していたと聞きましたが、torakoは見ていないので、確かなことはわかりません。

virginny_2.jpg

こんなことを言うと、尹東柱の研究者の方や、昔からのファンの方に怒られるかも知れませんが…。
張徳順氏の書いた尹東柱の人となりを読んでいると、20代のリュジン氏に演じてほしかった、なんて思ってしまいました。

『京城スキャンダル』シーズン2がもし制作されて、1945年8月解放後の京城(ソウル)にスヒョン@リュジン氏が戻ることができたなら、少女ソンジュと肩を並べて坐ったミョンビンカンの縁先で、「Carry Me Back to Old Virginny」を歌ってほしいと思います。(『希望歌』は封印?)祖国に戻れなかった尹東柱の分まで…。

すみません、傾倒ブログなのでお許しを…。

 

「Carry Me Back to Old Virginny」
1950年代のディーバ
ジョー・スタッフォードver(部分)です

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詩人への償い

torakoさん あんにょ~ん

たくさんある記事のどれにコメしようかな~と迷いつつ、carry me
back・・・の歌に惹かれてこの記事にコメ書かせていただきます。
昨日の朝日新聞夕刊の窓(論説委員室から)に「詩人への償い」というタイトルの記事があり、「尹東柱」氏の名前を目にしました。立教大学が、彼の名を冠した奨学金を今春から始める、という記事です。立教大学では学内のチャペルで追悼式も行われているのですね。同志社大学でもあれば行けるのですが・・・
「一人の人間を記憶することは、歴史を忘れないことでもある」とこの記事のなかにありました。ほんとにそうだと思います。また彼の詩を読みたくなりました。

韓国語のリスニングの勉強のために・・・と買ったものの長く本棚に眠ったままだった「KBSの韓国語 標準発音と朗読」の中に詩として2編、読まれているのが、「序詩」と「ツツジの花」であることに、最近気づき、聴いています。김 소월 の「진달래꽃」もtorakoさんに教えて頂かなければ知りませんでした。
たった2編しか読まれていない詩が、2編ともtorakoさんが取り上げてらっしゃるものですから、さすがです~!目からだけでなく耳からはいる詩もいいですね~  しっとり聴いてます。静かな真夜中にひとり聴いていると、不覚?にもふと涙がでてきます・・・ははは~柄にもないことです~^^

  • 投稿者: yukippe
  • 2010/02/11(木) 21:06:41
  • [編集]

雨の降る日に…

>一人の人間を記憶することは、歴史を忘れないことでもある
立教大学は、彼が青春時代を過ごした延世大学にもどこか似ていて、たった半年で終えた彼の東京生活の痕跡がどこか残っていないものかと、雨が降り出しそうな池袋の街を歩いてきました。
日韓両国でたくさんのひとたちが彼の短い生涯に共感し、彼の感性と自分の感性を重ねあわせているんですね…
尹東柱の残した言葉…言葉そのものの美しい響き、言葉の壁を越えて心に深く染み入る抒情、詩は永遠だな~といつも思います。
いつか、しっかりと勉強してみたい…自分でも韓国語で詩を書いてみたい…ハハハ日本語でも無理なのにね…
Carry Me Back to Old Virginny…
素敵なリュジン氏にも再会できて、嬉しかったです。

  • 投稿者: torako
  • 2010/02/12(金) 00:37:59
  • [編集]

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