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『アリランの歌』覚書 第一部

  • 2008/06/18(水) 00:01:55

まさに『京城スキャンダル』の時代、1937年中国・延安。「革命の聖地」ともいわれるこの地で、朝鮮人革命家キム・サン(張志楽)とアメリカ人女性ジャーナリスト、ニム・ウェールズ(ヘレン・フォスター・スノー)が出会い、うまれた名著『アリランの歌』…このブログでも、『京城スキャンダル』の時代を語る時に、何度か引用しています。

芥川賞作家李恢成(イ・ホェソン)氏、『アリランの歌』岩波文庫版補注や『創氏改名』の著者で近代史研究者の水野直樹氏、作家金賛汀(キム・チャンジョン)氏など『アリランの歌』に魅せられた人たちの手によって、キム・サンとニム・ウェールズ「二人の精神世界に近づき、歴史の空白を埋める作業をつうじて、時代を背景をも明らかにしたい」というねらいのもとで編まれた『アリランの歌』覚書(岩波書店)第一部を読み終えました。

ariran_1_1.jpg

『覚書』のまえがきで、李恢成氏は『アリランの歌』が時代を超えて読み継がれている理由について、次のように述べています。

恐らくこの一冊から人々が受けとったのは、革命の時代の困難な人間の生き方であり、地獄めぐりにひとしい、そうした逆境の中でも未来を信じようとする人間のひたむきな生命力のようなものではあるまいか。

定価9500円の高価な本(私は古書で少し安く求めました)ですが、本が出版されるまでの関係者の努力やその内容を思うと決して高いとはいえません。

『覚書』は、李恢成らが、『アリランの歌』から50年を経た1987年、アメリカ、ニューイングランド地方の小さな町で一人暮らすニム・ウェールズを訪ねるところからはじまります。第一部は李恢成氏による「ニム・ウェールズ・ピルグリム」とニム・ウェールズ本人に対するインタビュー「ニム・ウェールズとの対話」から成っています。
「ニム・ウェールズ・ピルグリム」は、「pilgrim」(清教徒による特別な旅、巡礼)という言葉に象徴されるように、インタビュアーでもある李恢成氏の目で、『アリランの歌』を生み出したニム・ウェールズの「精神の旅路」を、1937年の夏と1987年の夏の3日間を行き来することで巧みに解き明かしています。同時に、キム・サンの死の真相をめぐって、50年経た当時でもなお、ニム・ウェールズを縛り付けているものも…。

そして、「ニム・ウェールズとの対話」では50年後を経た今、彼女の口から直接語られる、キム・サン、当時の革命家たちの姿、延安行きの状況、朝鮮半島情勢に対する彼女の意見、そして、作家としての今の仕事…。
さまざまに語られる『覚書』第一部を読み、改めて思ったのが、ニム・ウェールズがアメリカ人であって、キム・サンが朝鮮人であったということ。抽象的な感想にすぎるかも知れませんが、アメリカと朝鮮の精神性のぶつかり合いが、困難な時代を背景に、稀有な「ドキュメンタリー」を生み出したのではないかという印象を持ちました。

キム・サンを中心にした第二部・第三部はまだ読了していません…また改めて感想を記したいと思います。



ariran_1_2.jpg

忘れていませんか?
BSジャパン『京城スキャンダル』
本日6月18日(水)20:00~
放送開始!


いつのまにか
リュジン氏の『めっちゃ大好き』も
Mnetで放送が始まっているようです~

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