スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

光州5・18 華麗なる休暇 に寄せて vol.2

  • 2008/05/18(日) 00:00:00

彼らの運命を変えた1980年5月18日
今日と同じように日曜日でした…

kyuka_2_1.jpg

以下ネタバレです。ここから先は映画をご覧になってから…

身支度をするシネを父フンスがからかいます。兄弟の待つ映画館に向かうためバスに乗ろうとしたシネの目に映ったのは、전남대학교 정문(全南大学校 正門)での、学生と軍との小競り合い…。

kyuka_2_2.jpg

전두환은 물러가라 물러물러!
全斗煥は退陣せよ!退陣せよ!

kyuka_2_3.jpg

シュプレヒコールを叫びながらデモ行進をする学生と、学生たちを威嚇する軍。シネは不吉な予感を感じながらも、バスに乗り込みました。

kyuka_2_4.jpg

日曜日の映画館は超満員…。『ロッキー2』?『ラスト・コンサート』?前日にインボンとさんざん悩んだはずなのに、ミヌが手に入れたチケットは、コメディの帝王이주일(イ・ジュイル)氏主演の『뭔가 보여드리겠읍니다(何かをお見せいたします)』…初デートとしては、かなりダサイ選択?映画の題名が流行り言葉になったくらい、大ヒットした映画だそうです。

kyuka_2_5.jpg

ストーリーにずっぽりはまって、笑い、泣き…天真爛漫なミヌの様子にジヌもシネもなかば呆れ顔…。
キム・サンギョン氏、ここまでの場面では、少し鈍くさいけれど、純粋で愛すべき青年ミヌのイメージにぴったり合ったいい演技をしていると思います。前半描かれるほ光州の平和な日々のシーンが中盤以降の「悲劇」を際だたせています。

kyuka_2_6.jpg

休日の一日、映画に興じる市民たち、安寧は一瞬にして破られました。突然場内に立ちこめた催涙弾の刺激臭。戒厳軍に追われた学生が逃げ込んできたのです。

kyuka_2_8.jpg

彼らが外に出ると…。そこには信じられない光景が広がっていました。逃げまどう学生たちを警棒で殴り倒す軍人たち。ミヌたちの目の前で、鮮血が飛び散ります。コメディ映画の看板に鮮血が飛び散る光景が悲惨さを際だたせています。次第に軍人たちは学生たちばかりでなく、市民に対しても、暴力をふるいはじめました。逃げまどう市民たち。
逃げ遅れたシネを一人の若い軍人が追いかけます。路地裏に追いつめられ、恐怖に顔を引きつらせるシネ。間一髪、ミヌが植木鉢を軍人の頭に振り下ろしました…。

kyuka_2_10.jpg

ジヌと合流し、教会に逃げ込んだ三人、いったい何が起こったのか…。どまどうミヌたちに神父は…

모반한 자들이 정당성이 없으면
抵抗する者たちに正当性がなければ
반역자일 뿐이야
反逆者となるだけだ…

내가 보가에는 군인들이 아주
私が見るに、軍人たちは本気で
나라를 먹어버릴 작정을 한 모양이야
国家を飲み込もうとしているようだ

kyuka_2_9.jpg

信じられないような光景はこの日一日だけの「悲劇」ではなく、また、光州だけの問題ではありませんでした。国民が熱望した民主化の要求を踏みつぶし、権力が再び動き出そうとする時、その渦の中に巻き込まれたのが光州の人々でした。この日で終わりではなく、光州の10日間はこれからはじまるのです。

kyuka_2_11.jpg

翌日、登校したジヌは、友人のサンピルが戒厳軍に殴り殺されたことを知ります。今まで勉強ばかりの優等生だったジヌが、友人たちとデモに参加しようとします。止めようとする教師たちにジヌはしぼりだすように…

상필이가 죽었습니다
サンピルが殺されたんです

kyuka_2_12.jpg

なぜ、罪のない友人が殺されたのか…。なぜ、学生にあんな酷い暴力をふるうのか…。抵抗の主体はしだいに大学生たちから市民一般に広がっていきます。軍に立ち向かう市民の中には、オープニングで喧嘩していた、ミヌの先輩運転手のインボンや、街のチンピラ、ヨンデの姿もありました。

kyuka_2_13.jpg

その頃、空挺部隊の司令部では、戒厳軍への抵抗が市民一般にも広がっていることを受けて今後の対応が議論されていました。フンスの元部下だったペ中佐は

금일 오전까지의 상황을 종합해 보며
本日午前までの状況を総合してみると
시위대 양상이
デモ隊の様相が
불순 학생세력에서 일반 시 민들 중심으로
「不純学生勢力」から「一般市民」たち中心に
변화되고 있는 실정입니다
変化している実情です

불순세력과 무고한 시민을
「不純勢力」と「罪のない市民」を
구분하지 않은
区別しなかった
강경 일변도의 진압방식이
強硬一辺倒の鎮圧方法が
원인이라고 봅니다
原因だと見られます

チェ上官はペ中佐の言葉を遮り、彼の頬を打ちました

최정예 공수부대한테
最精鋭の空挺部隊に
겁대가리 없이 대드는 것들이
ひるまずに向かってくる者の
무슨 무고한 시민이야
何が罪のない市民だ

kyuka_2_14.jpg

殺気だっている街中をタクシーを走らせるミヌ。軍に殴られて逃げてきた学生を見るに見かねて車に乗せます。傷ついた人を助けたかっただけなのに…ミヌもまた捕らえられ下着一枚でトラックに乗せられました。このままでは殺される…。ミヌは橋の上から川に向かって飛び込みました。容赦なく浴びせられる銃弾。九死に一生を得たミヌ。助けを求めて近くの民家をたずねると、そこには、目の見えないオモニが、家を出たまま帰ってこない息子の帰りを待っていました。

kyuka_2_15.jpg

軍人たちが一般市民に無差別に暴力を振るっているのを見たフンスは、かつての同僚で今回空挺部隊を指揮している、チェ・ソンギのもとをたずねます。フンスの忠告に耳を貸さず、強硬姿勢を崩さないソンギ。フンスは次のような言葉を残して立ち去ります。

자네 총보다 무서운 게 뭔지 아나?
お前、鉄砲より恐ろしいのは何か知っているか?

사람이야…
人間だよ…

kyuka_2_24.jpg

この言葉、どちらでも取れる言葉です。いくら軍事力をもって弾圧しても、人々の力にはかなわないという意味と、武器を使うのは人間であり、人々を殺戮するのは、武器ではなく人間であるという意味…。フンスのこのセリフ、印象に残っています。映画を最後まで見て…、私にはどちらの意味も込められているような気がしました。

kyuka_2_16.jpg

政治には無関心に、弟の幸せだけを願って、ささやかに暮らしてきたミヌにとって、ジヌがデモの先頭に立っているのが心配でたまりません。デモを終えて夜遅く帰ってきたジヌを思わず殴ってしまいます。身近な友人の死が許せずに立ち上がったジヌの心情…。そして、翌日、障害を持った少年ピョンジョとその兄がなぶり殺しにあいました。市民の怒りは頂点に達します。ジヌたちを止めていた高校教師チョン先生も、催涙弾よけのクリームを生徒一人一人に塗って彼らを送り出しました。

kyuka_2_17.jpg

5月21日、上空のヘリから全羅南道知事のメッセージが聞こえてきます。市民でふくれあがるデモ隊の中にはミヌたち兄弟の姿もありました。

광즈시민 여러분
光州市民のみなさん
저는 전남도지사 입니다
私は全羅南道知事です
여러분 이성을 찾으시고
みなさん理性的に
제 말씀을 들어주십시오
私の話を聞いてください
금일 정오까지 계엄군을
今日正午までに戒厳軍が
철수토록 할 테니
撤収されるはずです
그전에 해산해주시기 바랍니다
その前に解散してください

kyuka_2_18.jpg

戒厳軍の撤退を知らせる道知事のメッセージ。「市民の勝利!」戒厳軍の不当な鎮圧を自分たちの力ではね返した!光州市民は歓喜にあふれて、錦南路を行進し、広場に向かいました。
広場に集まった市民たちは、戒厳軍を前にして、이현 イヒョンのヒット曲『잘 있어요 チャリッソヨ』(1973)を陽気に合唱し、戒厳軍の撤退を喜び合います。

잘 가세요 잘 가세요
お行きなさい お行きなさい
그 한마디 였었네
そのひと言でしたね
잘 있어요 잘 있어요
さよなら さよなら
인사만 했었네
あいさつだけしましたね

kyuka_2_19.jpg

そして午後0時、道庁舎の拡声器が荘重なメロディを奏ではじめます。『愛国歌 애국가』です。陽気に騒いでいた市民も、国旗に向き直り、最敬礼をして、国歌を歌い始めます。

동해물과 백두산이 마르고 닳도록
東海が乾き果て 白頭山がすり減るほどに
하느님이 보우하사 우리 나라 만세
神の護りたまえる我が祖国よ 永遠なれ

kyuka_2_20.jpg

무궁화 삼천리 화려강산
むくげの花三千里 麗しの山河
대한사람 대한으로 길이 보전하세
大韓の民よ 大韓を 永遠に保たん

kyuka_2_21.jpg

突然、響き渡る銃声…戒厳軍は、集まった市民に対して無差別射撃を開始しました。倒れる市民たち。足を打ち抜かれて、動けない制服の女子高生、父を撃たれて泣き叫ぶ子ども、その子を抱えて逃げる老人…。その国の軍隊が国民に銃を向けている…『愛国歌』の流れる中、画面の中で起こっていることは、一体何なのか…。
呆然と画面を見つめるばかりでした…。

kyuka_2_22.jpg


 

大韓民国 国歌
愛国歌 애국가
1番

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

こんばんは

torakoさん、こんばんは!
あの国歌の流れる中での一斉射撃は戦慄のシーンでしたね・・・。今日、韓国の方々がこのシーンを見ている様子をMBCの番組で見たのですが、目をふくアジョシや手で顔を覆う女性がいました。韓国の方にとっては日本人が感じるよりももっとショッキングに感じるんだろうなと思いました。
これだけの軍事政権があったのに28年後の今、「オンマ~」や「スポットライト」のようなドラマを作り、自由に報道する権利もあり、格差はあっても経済大国になろうとしている韓国という国に興味は尽きません。お隣の国のこと知らな過ぎた!と思っています。歴史を勉強もしたいけど、まずは言葉を勉強しなきゃいけないのかな(^^;)でもそれが一番難しいですね・・・。がんばりたいところですが(泣)

  • 投稿者: シベリア
  • 2008/05/18(日) 23:50:54
  • [編集]

刺身屋さん働き者ですね

シベリアさん、こんばんは!
「愛国歌」は荘厳なだけでなくて、朝鮮半島の人たちが経験してきた苦難の日々から絞り出されたような静かな叫び、祈りが伝わってくるような、一度聞いたら忘れられないようなメロディと歌詞ですよね。
そんな国歌が流れる中で、自分の国の軍隊に銃を向けられるって…。
あのシーンを見て、ずっと「愛国歌」のメロディと撃ち殺される人々の姿が頭をグルグル回っています。(グルグル回りながらも『オンマ』は見ています)
私も、つい最近まで、隣国のことを全く知りませんでしたし、知らないくせに思いこんでいたことも多かったような気がします。
今は、同居人に「日本人じゃなくなってきてる…」といわれるほど、オタッキーに入れ込んでますが…。
知れば知るほど、興味が湧いてくる~。

  • 投稿者: torako
  • 2008/05/19(月) 23:43:11
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。