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北間道(プクカンド)と妹(ヨドンセン)

  • 2007/09/06(木) 00:00:00

kyonsu_pukando_3.jpg

物語を通じて、スヒョン・ガング・イノに共通するキーワードがあります。
「北間道」(プクカンド 북간도)という地名と、妹(ヨドンセン여동생)です。スヒョンの父や妹などの家族が「逃げるように」移住し、またガングやイノの妹が「売られた」所として何度もでてくる地名「プクカンド」とは、どこを指すのでしょうか。

kyonsu_pukando_2.jpg

最初、朝鮮半島の地名かと思い、探してみましたが、全く見つかりません。ふとした拍子に「間道」の北部地域(北間道)ではないかと思い当たりました。
間道は、豆満江(トマンガン)より北の旧満州にある朝鮮民族居住地をさす地名です。現在は、中華人民共和国吉林省東部の延辺朝鮮族自治州となっています。

清朝の時代から、朝鮮民族の移住者が多かったこの地域では、中国と朝鮮の領有権が問題になっていましたが、1909年、日本が大韓帝国(1897~1910)の頭越しに中国との間で「間道協約」を締結し、中国の領有権を認めてしまいました。

1910年、朝鮮半島で日本による植民地支配がはじまると、次第にこの間道地域は、朝鮮民族が多く居住しているにもかかわらず、半島よりも日本の影響が及びにくい地域として、抗日独立組織の根拠地となったようです。
キム・タックがかつて属していた実在の抗日独立組織「義烈団(イヨルダン)」もその発祥は吉林省なので、この「間道」地域と深い関係があるようです。

今、衛星劇場で放送している「英雄時代」でも、主人公の少年時代(1930年)に、江原道元山に住んでいる主人公の友人の叔父が食べていけなくなって北間道に移住するという話が出てきました。植民地下の朝鮮で、政治的な迫害や、経済的な理由で北間道に移住せざるを得ない状況が多かったのでしょう。

イノの妹は日本人の悪徳商人によって北間道に売り飛ばされ(第1話シーン13)、スヒョンの家族(妹も)は、彼の「密告」事件の後、「逃げるように」北間道に移住し(第4話シーン9、ワン@カン・ジファン氏のセリフ)、ガングの妹はおそらく売られたあと国境を越えようとして殺された…(最終話シーン15台本ト書きから推定)

kyonsu_pukando_1.jpg

彼ら三人は、こんな時代じゃなければ、優しい「オラボニ」として家族と幸せに暮らしていたに違いありません。彼ら三人に共通する「心の傷」が、「北間道」と離ればなれになっている「妹」に象徴されています。三人それぞれの心の動きが、ヨギョンの存在と絡み合いながら、最終話につながっていきます。

きっと韓国の方は、「北間道」といえば、すぐに何を意味するか、理解できるのでしょうね。残念ながら日本人は自分の国が関係して、隣国で起こった出来事をほとんど知りません。

現在、中国と韓国で外交問題になっている「白頭山(長白山)」問題や高句麗史をめぐる問題も、日本の植民地支配や「間道協約」と無関係ではありません。歴史をどう評価するかは、それぞれ考え方がありますが、日本の学校教育で、東アジア近代史の比重が低すぎる現状は少しでも改善されるべきだと思います。

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