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ムルッタラ ナド カミョンソ 自由を詠った詩人キム・ナムジュ

  • 2008/03/05(水) 00:00:00

釜山のシンナラレコードで안치환(アン・チファン)のCD『4』を買いました。リュジン氏がドラマ(『純情』『ストック』)の中でアン・チファンの曲を歌っていたのが、彼の曲を聴くようになったきっかけです。

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リュジン氏が『純情』(2001KBS)で歌っていた、내가만일(ネガマニル・もしも私が)を聴きたくて買ったこのアルバムですが、8曲目に入っている曲、「물 따라 나도 가면서」(ムルッタラ ナド カミョンソ 水に従って私も行きながら)が気に入って、今、通勤途上、車の中で繰り返し聴いています。

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曲をつくったのはアン・チファン、詩を書いたのは、1994年に48歳で夭折したキム・ナムジュという詩人です。

キム・ナムジュ 김남주(金南柱・1946~1994)
詩人。全羅南道海南郡生まれ。光州一高中途退学。検定を経て全南大学英文科に在学中から朴正煕大統領の維新憲法体制に反対し、地下新聞を発行。
1973年、全国的な反維新闘争のため発行した地下新聞「告発」を創刊、国家保安法、反共法違反により投獄。釈放後、故郷光州で農業を営む。
1979年、「南朝鮮民族解放戦線事件」で再び拘束され、10年あまり投獄。この間、獄中より三冊の詩集、250編もの詩を世に送り出す。
日本でも翻訳詩集『農夫の夜』(凱風社1987.4)が刊行されている。
出獄後、1989年に結婚、息子に恵まれるが、1994年膵臓ガンのため、永眠。享年48歳。

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彼の経歴からは、生涯を祖国の民主化のための闘争と詩作に捧げた激しい人生がうかがえます。確か、光州事件に関連した詩も作っていたように記憶しています。
彼の評伝を韓国で出版した大邱ヒョソンカトリック大学教授のカン・デソク氏は、キム・ナムジュを「韓国のチェ・ゲバラ」と呼びました。

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そんな激しい人生とは対照的に「물 따라 나도 가면서」は水の流れと自らを重ねあわせて、農村の四季の移ろいを描く、ゆったりとした優しい雰囲気に満ちた詩です。
フレーズの途中に入る「擬態語」(聞こえたままに訳しています)の美しい響きがこの詩の魅力をさらに深めています。アン・チファンの優しく、どこか懐かしいメロディに載せた美しい韓国語。

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この詩が、キム・ナムジュの生涯のどの時点で書かれたのか、詳しくわかりませんが、最初の投獄のあと、故郷光州で農業を営んでいる時に書いたものなのか、あるいは、1979年から10年間もにおよぶ獄中生活の中で、獄窓から懐かしい農村の風景を思い浮かべ、祖国の現実に思いを馳せながら、書いたものなのでしょうか。

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彼の詩集『農夫の夜』は日本でも出版されています。また、アン・チファンの6枚目のアルバムにはキム・ナムジュの詩の朗読が収録されているそうです。

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農村を舞台にした詩なのに、『ストック』(19話・20話)の写真?そこはtorakoの傾倒ブログなので、お許しください。もし、キム・ナムジュについて、詳しい方がいらっしゃいましたら、教えていただければ…。

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물 따라 나도 가면서 水に従って私も行きながら◆
김남주 시 キム・ナムジュ(金南柱)詩


흘러 흘러서 물은 어디로 가나
流れ流れて水はどこに行くのか
물 따라 나도 가면서 물에게 물어본다
水に従って私も行きながら水に聞いてみる
건듯건듯 동풍이 불어 새봄을 맞이했으니
ゴンドッゴンドッ 東風が吹いて新しい春を迎えたから
졸졸졸 시내로 흘러 조약돌을 적시고
チョルチョルチョル 小川が流れて小石を濡らして
겨우내 낀 개구쟁이의 발때를 벗기러 가지
冬のあいだずっとたまっていたいたずら坊主の足垢をはがして行こう

흘러 흘러서 물은 어디로 가나
流れ流れて水はどこに行くのか
물 따라 나도 가면서 물에게 물어본다
水に従って私も行きながら水に聞いてみる
오뉴월 뙤약볕에 가뭄의 농부를 만났으니
暑い季節 じりじりと焼けつくような日射しに
日照りを心配する農夫に会ったから
돌돌돌 도랑으로 흘러 농부의 애간장을 녹이고
トゥルトゥルトゥル 水路に流れて農夫の心配を溶かして
타는 들녘 벼포기를 적시러 가지
燃える野辺で稲株を濡らして行こう


흘러 흘러서 물은 어디로 가나
流れ流れて水はどこに行くのか
물 따라 나도 가면서 물에게 물어본다
水に従って私も行きながら水に聞いてみる
동산에 반달이 떴으니 낼 모래가 추석이라
小山に弓張月が出て 明日の砂が秋夕だから
넘실넘실 개여울로 흘러 달빛을 머금고
ノムシルノムシル晴れでも鬱でも流れて月明かりを浴びて
물레방아를 돌려 떡방아를 찧으러 가지
水車を回してもちつきをしに行こう

흘러 흘러서 물은 어디로 가나
流れ流れて水はどこに行くのか
물 따라 나도 가면서 물에게 물어본다
水に従って私も行きながら水に聞いてみる
봄 따라 여름 가고 가을도 깊었으니
春に従い夏に行き秋も深まったから
나도 이제 깊은 강 잔잔하게 흘러
私ももう深い川に穏やかに流れて
어디 따뜻한 포구로 겨울잠을 자러 가지…
どこか暖かい入り江に冬の眠りにつきに行こう…


※日本語訳torako
(誤訳あると思います、ご指摘を…)
青字…アン・チファンが歌っている部分
(アン・チファンが歌っている歌詞と
詩に少し異なる部分があります)

namujyu_10.jpg

 

◆ 물 따라 나도 가면서 ◆
水に従って私も行きながら
アン・チファン(部分)


◆ 물 따라 나도 가면서 ◆
水に従って私も行きながら
アン・チファン
全曲はこちら(韓国サイト)

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この記事に対するコメント

春の小川(水路だけど)

torakoさん、こんにちは!
穏やかな曲ですねぇ。心に沁みます。。
まだ今頃は、蓮華が咲いている田んぼですが、田植えが近くなると水路に水が流れ始めます。そんな景色を思い出しました。・・・そんな田舎出身です。
スンジョの素敵なお姿、ありがとうございます。しかも私の好きなシーンだぁ!

  • 投稿者: cha
  • 2008/03/05(水) 11:44:12
  • [編集]

春よこい!

chaさん、こんばんは~
私も、雪深い地域の出身なので、雪解け水や土の匂いに春を感じます。
韓国はソウルと釜山だけで、農村には行ったことがないんですが、きっとこの詩にあるように、穏やかに時間が流れているのでしょうか。
トンマッコルの世界かな?
韓国の詩って抒情的だけど、日本語の詩ではなかなか表現できないような力強さを感じます。
最近このブログに『ストック』で検索して来てくれる人が増えているようです。
ちょっとしたリバイバルブーム?
ジョンウォンのスポンジケーキもがんばりたい!

  • 投稿者: torako
  • 2008/03/06(木) 02:22:29
  • [編集]

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