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エムルダンと義烈団 朝鮮革命宣言の世界 1
- 2008/01/29(火) 00:00:00
第11話ラストで、エムルダンの首長の正体が明らかになりましたが、この「エムルダン애물단」とはどのような組織なのでしょうか。
※衛星劇場で放送中の『京城スキャンダル』では日本語字幕が愛論団(アイロンダン)になっていますが、ここでは韓国版の発音どおりエムルダンとしています
日本の植民地支配に抵抗して、朝鮮の独立を実現するためには、テロリズムも辞さない武力闘争組織。当時上海に根拠を置いていた朝鮮独立運動の中心的組織「臨時政府」とも関係があるようですが、詳細は不明。しかし、ソンジュやクンドクの説明では、京城を中心に多くの組織員がいるような…。
第13話でクンドクが
「エムルダン」の起源と歴史について
説明します。
(第13話シーン49)
먼저, 애물단의 탄생과 기원의 역사에 대해
まず、エムルダンの誕生と起源の歴史について
간단히 설명드리겠습니다
簡単に説明させていただきます
우리 애물단은, 수장님이 속해있던 구국의결단과
我々エムルダンは、首長さんが属していた救国義烈団と
저와 차송주 조직원이 속해있던 의인회를 비롯…
私とチャ・ソンジュ組織員が属していた義士会をはじめ…
와해된 조직의 잔류 세력과
瓦解した組織の残留勢力と
그 외 뜻을 함께 한 조직원들로 결성되어…
そのほか意志を同じくする組織員たちで結成され…
◆ 救国義烈団 구국의결단 エムルダンの首長=イ・スヒョンが所属 ◆
◆ 義士会 의인회 チャ・ソンジュとクンドクが所属 ◆
◆ その他「瓦解した組織の残留勢力」 ◆
…が母胎となっているようです。
ソンジュの「義士会」については、以前「第5話 チャ・ソンジュさん10年前ロシアで…」の記事で取り上げましたが、スヒョンの属していた組織「救国義烈団」=「義烈団(ウィヨルダン)」と考えていいのでしょうか。
義烈団の活動のピークは1920年代で、朝鮮半島・中国・日本で数多くの爆破事件をおこしています。しかし、スヒョンが留学したのが「京ス」の舞台である1937年の10年前ということであれば、1927年。1927年の時点で「義烈団」の組織はどうなっていたんでしょうか?
◆義烈団
1919年11月、満州の吉林省で金元鳳(金若山)らによって組織された抗日テロ団体。日本の要人及び親日派朝鮮人を暗殺の対象として、朝鮮国内、中国、日本で数多くの爆破事件を起こした。1920年代半ばに活動の重点をテロから政治闘争に移し、金元鳳らは広東の黄埔軍官学校に入学して軍事技術、政治知識を学んだ。1935年、他の独立運動団体と合同して朝鮮民族革命党に改編され、民族主義左派を形成した。なお、義烈団に関して本書に記載されている数字はかなり誇張されたものである。
(『アリランの歌―ある朝鮮人革命家の生涯―』補注127)
◆義烈団は…委員会を選出した
義烈団がこの時点で「朝鮮民族独立党」に改称されたとされる点は、他の資料で確認できないが、アナーキスト柳子明の『私の回想』(1984年、遼寧人民出版社、朝鮮文)は、名称は異なるものの本書の記述に一致する事実を伝えている。それによれば、1925年冬、義烈団は広州で会議を開いて「朝鮮民族革命党」に改編することを決定した、この会議には金元鳳、呉成崙、張志楽(金山)、柳子明らが出席していた、という。
(同書 補注160)
1937年に当時30歳のアメリカ人女性ジャーナリスト、ニム・ウェールズ(1907~1997)が32歳の朝鮮人革命家キム・サン(本名張志楽)に出会って「奇跡的に」生まれた「革命の現場で革命の当事者が語った得がたい革命の記録」『アリランの歌』の記述では、義烈団は1925年に「朝鮮民族革命党」に改編されたとされています。
一般的には、補注127にあるように、1935年7月、韓国独立党・朝鮮革命党・義烈団・新韓民族党・大韓独立党が大同団結して、南京で民族革命党が樹立された…とされていますが…。
ともかく、スヒョンが属していた組織、あるいは、活動上影響を受けていた組織は「義烈団」であるということは確かなようです。
第2話の回想シーンでも、少年スヒョンが手にしていたのが、1923年に義烈団のリーダー金元鳳の依頼で申采浩(シン・チェホ)が起草した義烈団の綱領的文書「朝鮮革命宣言」でした。
衛劇版を見ていた同居人がポツリと言いました…
当時非合法な内容の本なのに
表紙にデカデカと題名が書いてあるのは変だ…と
ポクギさんへ
この前お聞きしていた「間道パルチザンの詩」ですが、私はてっきり「歌」だと思っていたんですが、「歌」ではなく、「詩」でした。プロレタリア詩人槙村浩(まきむらこう)が1932年に発表した詩…
おさわがせしてすみませんでした~。
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この記事に対するコメント
ご無沙汰してます。
仕事に追われ、この倶楽部のドアを開ける時間もありませんでした。
「朝鮮新報」に、朝鮮の「ひたむきの女たち」を描いた連載がありました。torakoさん、参考にしてください。
http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2005/06/0506r100.htm
立呑処「京城」にオソオセヨ
ポクギさん、こんばんは!
我が家は出入り自由、24時間営業の立呑処のようなものなので、お時間ある時にふらりと立ち寄っていただければ…。
ただ、その日のメニューと雰囲気は、おまかせで…割烹着のおかみが待っていることも、突然ディスコになることも…?
ご紹介、ありがとうございます。何と充実したラインナップなんでしょう。
大切に一つ一つ読んでいきたいと思います。
最近放電してばかりで、充電する機会が少ないので、嬉しいです。