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第5話 白い鯨は眠りから覚めて…『白鯨』とコレサニャン

  • 2008/01/18(金) 00:00:00

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昼下がりの諧和堂(ヘファダン)、前日の晩、酔って転がり込み、翌朝何も言わずに姿を消したソヌ・ワンが気になるヨギョン。入口に人の気配がして振り向くと、そこには…(第5話シーン2)

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そこには、真っ赤なワンショルダーのドレスを着たソンジュの姿がありました。

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退屈だから本でも探しに来たというソンジュ…書棚の前に立ちヨギョンを見つめるソンジュ。何か意味ありげです。

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本を探すソンジュの手つきがものすごくセクシー。(第15話、この手つきでスヒョンはがっちり捕まっていました…)

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ソンジュの選んだ本は『백경』(白鯨)。本棚から取り出して頁をめくりながら…

해당화 핀 언덕에 잠든, 흰 고래는…
ハマナスが咲いている丘に眠った、白い鯨は…

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어떻게 되었을까요?
どうするのですか?

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決意を秘めた表情でヨギョンはこう答えます…

흰 고래는 잠에서 깨어나 바다로 갈 준비를 하고 있습니다
白い鯨は眠りから覚めて、海に行く準備をしています

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아아…그것 참 다행이군요
ああ…それはとってもよかったですわ

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エムルダンに入って活動する決意を「白い鯨」に喩えたこのシーン。torakoはメルヴィルの『白鯨』よりもむしろ「コレサニャン」を思いだしました。
「コレサニャン」とは「鯨とり」のこと。1974年に송창식(宋昌植・ソン・チャンシク)が歌った歌…。

◆コレサニャン 고래사냥
―ソン・チャンシク 송창식 宋昌植―

 
술마시고 노래하고 춤을 춰봐도
酒をのみ歌い踊って千鳥足になっても
가슴에는 하나가득 슬픔 뿐이네
胸には哀しみが満ちるだけ
무엇을 할것인가 둘러보아도
何をしようか見まわしても
보이는건 모두가 돌아앉았네
皆が後ろ向きに座っているのが見えるだけ

자 떠나자 동해바다로
さあ旅立とう東海へ
삼등삼등 완행열차 기차를 타고
サムドゥンサムドゥン(?)鈍行列車に乗って

간밤에 꾸었던 꿈의 세계는
過ぎた夜の夢の世界は
아침에 일어나면 잊혀지지만
目覚めれば消えてしまうけれど
그래도 생각나는 내꿈 하나는
でも、忘れられない夢が一つ
조그만 예쁜 고래 한마리
小さな美しい鯨が一頭

자 떠나자 동해바다로 신화처럼 숨을 쉬는 고래잡으러
さあ旅立とう東海へ 神話のように声あげて 鯨をつかまえに


우리들 사랑이 깨진다해도
私たちの愛が壊れるとしても
모든 것을 한꺼번에 잃는다해도
全てを一度に失うとしても
우리들 가슴속에는 뚜렷이 있다
私たちの心の中には確かにある
한마리 예쁜 고래 하나가
一頭の美しい鯨が

자 떠나자 동해바다로 신화처럼 숨을 쉬는 고래잡으러
さあ旅立とう東海へ 神話のように声あげて 鯨をつかまえに
자 떠나자 동해바다로 신화처럼 숨을 쉬는 고래잡으러
さあ旅立とう東海へ 神話のように声あげて 鯨をつかまえに


人には忘れてはならない夢がある。その夢を追いかけて朝日の上る東海へと向かえ。夢に見た美しい鯨は、旅に出た者だけがその手で捕まえることができる。いにしえの神話の旅人のように、声をあげ、歌を歌い、小さな美しい鯨を追いかける旅に出よう。ここにとどまるな。歩き出せ。

そんな声を私は聴きとりました。おそらくわたしは、その声をずっと待っていたのです。それは高校生の頃、ジョン・レノンの「イマジン」を初めて聴いたときに体験したような魂の震えを呼び起こすものでした。「鯨とり」は、70年代半ば若者たちの歌の本格的弾圧にのりだした軍事政権によって、発禁処分にされています。けっして政治的ではないこの歌を軍事政権が恐れた理由がわたしにはわかるような気がします。それは、人をしていまに安住させることなく、夢に向かって旅立たせる力を秘めています。その意味で、軍事政権が十分恐るるに足扇動的な歌なのです。

姜信子著『日韓音楽ノート―(越境)する旅人の歌を追って―』(岩波新書)より

韓国では「鯨とり」という言葉に「大望を成就させる」という意味があるそうです。1984年の映画「鯨とり-コレサニャン-」は1980年代のロードムービーの傑作だそうです。(torako未見、見てみたいです)

エムルダンでの活動を決意したヨギョン。彼女自身は「美しい白い鯨」なんでしょうか…、それとも東海に旅たつ「鯨とり」なんでしょうか…。
『京城スキャンダル』の作家や監督は、鯨の謎かけを登場させる時、「コレサニャン」のイメージを持っていたのでしょうか?

ポクギさんからいただいたコメントにもあるように「女性の決意が歴史を動かす」、まさにそうですね。『京城スキャンダル』の登場人物たちも、女性の方がキャラが立っていたかも。第15話、エムルダンのアジトで総督府の銃撃隊に囲まれた時も、ソンジュの判断は早かったですね…。いつもながら、スヒョンに気を取られて、見逃していたこのシーン。決断を促すソンジュの静かな迫力と、決意したヨギョンの毅然とした表情が印象的なとてもいい場面でした。

 

◆コレサニャン◆
ソン・チャンシク
(部分)


◆ コレサニャン ソン・チャンシク 曲全体はこちら(韓国サイト)

※記事の翻訳部分はna-mimさまのブログを参考にしています

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